夕焼け野郎
差し出し人の住所のない 手紙が届いた
お前らしい右下がりの 丸い文字だよ
風来坊を気取ってるが どこかが寂しい
あの口笛聞こえそうな 秋の便りさ
ぼくと彼女は いっしょに暮らして
とても幸せだと 伝えたいけれど
お前はどこで どうしてる
さすらいつづける 友よ
お前とパンを分けて生きた 青春が見える
同じ女を好きになって 悩んだ二人
“旅に出るよ”と置き手紙を 残したお前を
追いかけたけど汽車はホームを 出たあとだった
ぼくと彼女は おんなじ名前で
今は笑い声も 似て来たけれど
お前のことが 気にかかる
生きるのが下手な 友よ
なぜかお前は この都会に戻り
窓を見上げている そんな気がする
心の借りを 返せない
陽気で寂しい友よ