夕げじたくの灯りがついて
窓にほのかなくちなしの花
銭湯帰えりの女が通りや
あでな湯文字に夏が来た
あけぼの神社でおみくじを
買って願いがかなうかどうか
ふるえる指で開いてみたら
あなたしだいと書いてあった
酔って女がふらつく足で
午前一時に階段登る
今夜もあんまりいい夜じゃないと
ドアを背中でバタンと閉めて
3年2ヶ月おとなりさんは
男出入りのない日に限り
いつもラジオに合わせてうたう
なぜか哀しく、夜風にしみる
今日もこうして又明日になる
こんなくらしにゃ おさらばしようと
今夜も虚しい夢を見る頃
空はあけぼの 朝日が昇る 朝日が昇る